連邦政府と州政府 federal government,big daddy and state government. 2003 5 4

アメリカの政策は、外交政策、景気対策、教育問題、医療福祉へと、急速に政策を転換しつつある。
それは、当然のことである。
アメリカ国民は、大統領選挙で、単に人気投票などをするような愚か国民ではない。
賢明なアメリカ人は、外交政策、国防政策、経済政策、教育政策、医療福祉政策で、
トータルで大統領を評価する。各政策に点数をつける。
それゆえ、いくら国防政策がいい点数を取っても、
他の政策が低い点数なら、結局、総合点で合格点には達しない。
大学入試や入社試験では、ある分野が特に優れていれば、合格できるかもしれないが、
大統領は、そうはいかない。
得意分野や不得意分野があるでしょうが、全科目で合格点を取る必要がある。
今のままでは再選されない可能性もあり得る。
そこで、減税政策を推進するのでしょうが、
これも、単に減税しただけでは、効果は薄い。
減税が消費に回らない可能性がある。
どんなに立派な彫刻を作ったとしても、その彫刻に魂を入れなければ意味がない。
これは、減税をした上で、落ち込んだ消費者マインドを鼓舞する必要があるということである。
消費者には不安がある。
その不安を心理学者、宗教家、思想家に相談して、いかにその不安を取り除くかを考えた方がよい。
大統領は時には司祭者でもある。
そもそも、アメリカ人に貯金は向かない。
これは、商売上手で商才のある中国人に共産主義をやらせるようなものである。

さて、中央政府というものは、大きすぎると弊害がある。
連邦政府は、外交と国防だけで十分である。
減税と言うが、税金を中央政府が集めて、減税という形で、国民へばらまくという考え方は、
前世紀の遺物であって、21世紀には古い考え方となっている。
外交や国防はうまく行っても、教育政策や医療福祉政策に悩むでしょう。
それは当然の話で、
この分野は、州によって、州特有の問題もあれば、州独自の理想もある。
それを連邦政府が全国一律でやろうとするから無理がでる。
外交と国防用以外の税金は、州政府が徴収し、州政府が使うべきである。
教育政策や医療福祉政策は、州政府が立案し、州政府が実施すべきである。
これで、小さな政府ができる。
これでは、各州が勝手なことをやり、バラバラになるのではないかという不安もあるでしょうが、
各州がお互いに競い合って、すばらしい州ができれば、他の州もそれを見習うことになる。
各州の自治を尊重したことが、結果的に、統一が図られる。